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遺伝子操作の倫理

N1

The ethics of genetic engineering

遺伝子工学の進歩は目覚ましく、もはや遠い未来の技術ではなくなりつつある。ゲノム編集技術の登場により、遺伝性疾患の治療に新たな可能性が開かれたことは論を俟たない。しかしながら、この技術を人間の生殖細胞に応用することについては、慎重論をよそに、一部の研究者が実用化を急いでいるのが現状である。「デザイナーベビー」と呼ばれる、容姿や知能を人為的に操作された子どもの誕生は、もはや絵空事ではないものでもない。こうした技術の濫用は、人間の尊厳を脅かしかねず、社会的格差を助長する結果を招かずにはおかないだろう。科学者たるもの、技術の可能性を追求すると同時に、その社会的影響についても真摯に向き合う責務を負っている。一部の国では、生殖細胞の編集を法律で禁じており、これは決して軽視すべからざる規制であると言える。とはいえ、規制を強化するあまり、難病に苦しむ患者を救う道を閉ざしてしまっては本末転倒である。技術の恩恵とリスクを冷静に見極め、社会全体で合意を形成していく努力が求められていると言えよう。