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集団主義と個人主義の心理的基盤

N1

cultural psychology

文化心理学の分野では、各社会の価値観に即して人間の認知や行動様式を理解しようとする試みが重ねられてきた。集団主義的傾向の強い社会では、個人の利益よりも集団の調和をもって行動の指針とする傾向が顕著に見られる。一方、個人主義的傾向の強い社会では、個人の独立性や自己表現が重んじられ、集団への同調は必ずしも美徳とはみなされない。こうした文化差は、幼少期の養育環境や教育方針の違いによって形成されると考えられている。興味深いことに、同一の課題であっても、文化的背景に即して被験者の反応パターンは大きく異なることが実験によって示されている。もっとも、集団主義と個人主義という二分法だけで人間の心理を説明し尽くすことはできない。個々の社会が持つ歴史的背景や宗教的伝統をもって、より精緻な文化心理学的分析を進めていく必要があるだろう。