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生体医工学がもたらす医療革新
N1Biomedical Engineering
生体医工学は、工学的知見を医療の現場に応用することで、これまで治療困難とされてきた疾患に光を当てつつある。人工臓器や再生医療技術の進歩は目覚ましく、患者の生活の質を大きく向上させることに成功しているものの、開発には莫大な費用と長い年月を要する。研究者たちは、動物実験の段階で有望な結果を得たからといって、直ちに臨床応用に踏み切るべくもないことを重々承知している。安全性の検証を怠れば、患者に取り返しのつかない被害を及ぼしかねず、倫理審査を経ずには一歩たりとも先に進めない。技術の高度化にともなって、医療費の高騰という新たな課題も浮上しており、恩恵を受けられる患者とそうでない患者との格差が生じることも懸念される。とはいえ、こうした技術革新なくして、難病に苦しむ患者を救う道はほかにないと言っても過言ではあるまい。今後は、費用対効果の観点に即して、限られた医療資源をいかに配分するかという議論を避けて通ることはできない。