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先住民の権利をめぐる国際的潮流
N1Indigenous Rights
先住民の権利は、長らく国家の主権という名のもとに軽視されてきたと言わざるを得ない。植民地時代以降、先住民は自らの土地を追われ、独自の文化や言語の継承すら余儀なくされないまでも大きな困難に直面してきた。国際連合が先住民族の権利に関する宣言を採択したことは、こうした歴史に一石を投じるものにほかならない。とはいえ、宣言に法的拘束力がない以上、各国政府の姿勢いかんによっては、実効性を欠く事態になりかねない。資源開発をめぐっては、先住民の同意なくして事業を進めるべからずという原則が国際的に浸透しつつあるものの、現実には十分な協議を経ないまま開発が強行される例も後を絶たない。先住民の土地に対する権利は、単なる財産権にとどまらず、その集団のアイデンティティそのものに深く関わるだけに、軽々に扱ってよいはずがない。国家たりとも、多数派の論理をもって少数派の権利を蹂躙することは許されるべくもない。先住民の知見を軽視することなく政策に反映させることこそが、真の意味での共生社会の実現に資すると言えるだろう。