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国際法における主権概念の変容

N1

International Law

近代以降、国家主権は国際法秩序の根幹をなす概念として位置づけられてきた。しかしながら、グローバル化の進展にともない、主権国家という枠組みそのものが揺らぎつつあることは想像にかたくない。人権侵害や環境破壊といった越境的な問題に直面するとき、一国のみの意思決定では対処しきれないのが実情である。国際社会は、内政不干渉の原則を尊重しつつも、人道的介入という形で主権の相対化を余儀なくされてきた。もっとも、こうした介入が常に正当化されるわけではなく、大国の恣意的な干渉にほかならない事例も少なくない。主権概念が普遍的な人権規範との緊張関係にあるという指摘は、決して的外れなものではない。今後の国際法学に求められるのは、主権を絶対視する立場から脱し、多層的な統治構造に即して概念を再構築する作業であろう。