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考古学的手法としての層位学
N1Archaeological Methods
考古学において、遺跡の年代を特定する際に欠かせないのが層位学的分析である。地層は基本的に下位のものほど古く、上位のものほど新しいという「累重の法則」に即して堆積しており、この原理をおいて遺構の相対年代を判断する手立てはないと言っても過言ではない。もっとも、自然災害や人為的な攪乱によって地層が入り乱れることもあり、層位のみに依拠した年代決定には慎重を期さねばならない。近年では放射性炭素年代測定などの理化学的手法が発達したものの、層位学的な文脈情報なくしては、出土品の意味を正しく解釈することはできない。発掘調査にたずさわる研究者は、遺物そのものだけでなく、それがどの層からどのような状態で出土したかという文脈を丹念に記録することを求められる。発掘現場における記録の不備は、後世の研究者に取り返しのつかない損失を強いる結果になりかねない。こうした地道な作業の積み重ねがあればこそ、過去の人々の生活を精緻に復元することが可能になるのである。