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行動経済学と人間の非合理性
N1行動経済学
伝統的な経済学は、人間を常に合理的な判断を下す「経済人」として想定してきたものの、現実の人間の行動は、しばしばこの想定から逸脱する。行動経済学は、心理学の知見を経済学に取り入れることを余儀なくされた結果生まれた分野にほかならない。たとえば、同じ金額の損失と利得であっても、人間は損失をより強く回避しようとする傾向を持つ。この「損失回避性」と呼ばれる心理的傾向は、投資行動や消費行動の説明に応用されている。また、人間は目先の利益を過大評価し、将来の利益を過小評価する「現在バイアス」も禁じえない。こうした非合理性の存在からすると、人々が常に自分の利益に最適な選択をするという前提で設計された政策は、往々にして機能不全に陥りかねない。