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文化人類学とフィールドワークの意義
N1文化人類学
文化人類学は、書斎での理論的な考察にもかかわらず、現地でのフィールドワークを通じてしか得られない知見の重要性を一貫して強調してきた学問である。人類学者は、調査対象となる社会に数か月から数年にわたって滞在し、現地の言語や生活様式を身につけることを余儀なくされる。この「参与観察」と呼ばれる手法に即して初めて、外部者には理解しがたい慣習の内的な論理に迫ることができる。しかし、調査者の存在そのものが調査対象社会に影響を与えてしまうという方法論的な問題は、避けようがない。また、異文化を記述するという行為そのものが、調査者自身の文化的なバイアスから完全に自由ではありえないという自己反省は、現代の人類学において避けて通れない課題である。それでも、異質な他者の生き方を理解しようとする試み自体の価値は想像にかたくない。