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デジタル人文学とテキストマイニング
N1Digital Humanities
デジタル人文学は、情報技術を人文学的研究に応用することで、従来の手法では不可能であった規模の分析を可能にした学際領域である。膨大な文学作品をコーパス化し、統計的手法を用いて語彙の傾向を分析するテキストマイニングは、その代表的な手法の一つに数えられる。この手法をもってすれば、研究者が一生かけても読破しきれないほどの文献群から、特定の語彙の出現頻度や共起関係を瞬時に抽出することができる。もっとも、こうした量的分析は、個々のテキストが持つ文脈や修辞的な機微を捨象してしまう危険をはらんでいることも否定できない。文学研究者からすると、数値化になじまない微妙なニュアンスの解釈こそが人文学の本領であり、テキストマイニングはあくまで補助的な手段に過ぎないという見方も根強い。とはいえ、量的分析と質的解釈とを対立的に捉えるのではなく、両者を相互補完的に用いる姿勢こそが、これからの人文学研究に求められよう。テクノロジーの進展を活用しない手はないとはいえ、人間の解釈という営みを技術に丸投げすることだけは避けねばならない。